Kanto Gakuin University Ori Akemi Seminar

Column織朱實が日々感じたことをつづっていきます。

胸を揺さぶられる想い (05.03.30)

もうこの年になって、胸をつかまれるような想いをすることはないだろうと
思っていた。3月・4月は、人が動く季節。卒園、卒業、退官、人事異動等等。
別れもあれば、出会いもある。卒業式、お別れ会、行事ごとに涙するには、
日常生活が忙しすぎる(同じくらいのパワーを遊びに使っていては尚のことである。爆)。

関心がなさすぎると言われようが、不感症街道まっしぐらである。
ところが、息子の卒園式で、不覚にもほろっときてしまった。
不感症街道どうした?べたすぎて、ちょっと恥ずかしい?
行事に熱心なアットホームな保育園。卒園園児8人と少数なこともあり、手作り卒園式に
むけて子供も親も準備万端(除く私。だって海外出張あったし、救急車で運ばれたし、
3月は仕事が一番忙しいし、エリザあるしステラ始まったし。笑)。
名前を呼ばれたら、起立し、親子で前に進み、来賓に黙礼。
中央にしつらえた台の上に登り、親から子供に一言。それから、卒業証書を受け取り、
来賓に黙礼し、着席。親子リハーサルまであり、子供は園で何回も準備し
首尾は全て頭に入っている様子。私は「子供の真似をしてればいいや~。
一言も『マコちゃん、卒業おめでとう』これで良し!」とえらく気楽な気分で当日に挑んだ。

ところが、ところが、この「親から子供への一言」っていうのは
こんな簡単なメッセージではすまない、この式のメインイベント
だったのだ!!完全な失態!事前のリサーチ不足、近代戦における
情報不足は致命的失点である(戦争じゃないから。笑)。
当方、8人中5番目の登壇。他のお母さんは、病気の時頑張ったエピソードなど
感動的に語る。会場思わずもらい泣き。
やばい!絶対、「卒業おめでとう」の一言ではすまされない。
状況判断の甘さが悔やまれる。なんとか、エピソードを
絞り出すんだ~。失地挽回なるか~!頼むぞ、ヤマト!波動砲一発!
しかし、ここでまさかの大逆転。
登壇して、息子と向き合った瞬間、息子の目から大粒の涙がぽろぽろ。
お前が泣くなよ~!反則だろう!それは!
私は、こういうのにめっぽう弱い。えーん、えーん泣きじゃくるとか、ぐずぐず泣くとかは
頭の一つも叩いて無視するが(鬼?私って鬼親?)。
黙って大きく開いた目から、こぼれる大粒の涙。
こういう泣き方には、完全降伏。お手上げである。正面攻撃にとことん弱いのである。
「うわ~、本当に涙って丸いんだ」と、新調の紺のブレザーの上を
転がる涙を見て改めて気がついた。揮発性の生地の上を、何粒も何粒も
転がっていく。ぽろ、ぽろ。小さな音まで聞こえてくるようである。
君は、どうして涙を流すの?今まで、こんな泣き方をしたことがないよね?
元気なフリをしていたけど、本当は悲しいことやつらいことがあった?
ママが、いつも一緒でなくて、寂しかった?
一言は、思わず「ママ、いつも忙しくしていてごめんね。でも、それでも
忙しいママをマコちゃんが先生やお友達に自慢していると聞いて
すっごく嬉しかった。先生やお友達がいてくれるから、そんな風に元気で
いられるんだよね。ママは、先生やお友達にも、それからママの
自慢なマコにも有り難うの気持ちで一杯だよ。」って。
ここでも、謝るのか私は~!どこでも、ここでも最近謝ってばかりである。
終わったら「マコちゃんの泣いているの初めて見た」「マコちゃんの涙に感動した」と
先生やママ仲間に声をかけられた。うん、そうだね。
まっすぐな涙、理由はわからないけど胸を揺さぶられる。
思いがけないプレゼントをもらってしまった。何年たっても、何十年たっても
あの時のまっすぐな瞳とこぼれる涙が、胸を揺り動かした衝撃は
忘れないだろう。言葉には出来ないけど、説明も出来ないけど、
記憶の中で、ぽろろん、ぽろろんとこぼれる涙の粒はいつまでも
鮮やかな映像で焼き付けられている。

たとえ、その後謝恩会も途中に、伊丹へ飛行機にかけつける母であってもね
(爆)。

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