Kanto Gakuin University Ori Akemi Seminar

Column織朱實が日々感じたことをつづっていきます。

マシュー・ボーン「スワン・レイク」見てきたぞ! (05.04.10)

マシュー・ボーンの「レイク・スワン」を、渋谷文化村オーチャード・ホールで見てきました(半額の6000円でチケットを入手。「話題作だし!めちゃめちゃ忙しいけど、見ておこう~っと」ってな感じでした。でも、その価値ありました♪)。マシューボーン演出作品は、昨年の「クルミ割り人形」ロンドンの「メリー・ポピンズ」と次いで三作目ですが、良かった~!です。「クルミ割り人形」で、「う~ん『キッチュ』すぎて、ちょっと好みじゃないかも~」と思っていたのですが、さすがマシュー・ボーンの名を世に知らしめた代表作、あまたのスワン・フリークを生み出した作品!古典バレエの良さを残しながら、現代的問題意識を体現した名作でした。
話題の首藤王子ではなかったのが(多分、それで半額?笑)、ちょっと残念でしたが、初見なので出演者を比較することも出来ないので、全然問題なし。キャストは、以下。

ザ・スワン・ザ・ストレンジャー:ホセ・ティラード 王子:クリストファー・マーニー 女王:ニコラ・トラナ 執事:ピーター・ファーネス カールフレンド:リー・ダニエル

お話は、バレエ「白鳥の湖」をベースとした皇室モノ(?)。堅苦しい宮廷行事と母親への屈折した愛情へがんじがらめになっているマザコン王子。知り合ったフラッパーなガールフレンドも母親のお眼鏡にかなわず、荒れて怪しいクラブで乱れているところをパパラッチされて、湖で入水自殺を図る(あ~、こうやって書き出しているとまるでどこかの「猫殺しの皇子」のよう。笑。皇子はどこもこんなんかいな!)。そこで、自由で力強い白鳥に出会い、恋に墜ちる。白鳥に雄々しく導かれ、元気になった王子は、女王と宮廷行事に励む。そんな王子の前に現れるのは、白鳥とそっくりの粗野な男性(ザ・ストレンジャー)。並み居る女性陣とセクシーな踊りを繰り広げ、女王まで手中に入れる。それを見た王子は半狂乱になり、ピストルを....。ガールフレンドが王子の身代わりで死亡し、王子は精神病院に強制収容される。母親の影に、また囚われ、脅える日々、そこに白鳥の群れが現れ、リンチを加える。助けに走るザ・スワン。強い白鳥の群れ。引き裂かれる二人。ベッドの上で、死亡している我が子を見つけ、はじめてかき抱く女王の後ろで、ザ・スワンに抱きかかえられ昇天する王子の姿が(ここも、「エリザベート」みたい。笑)。

それでは、雑感を。
・とにかく、ザ・スワンをはじめスワンの踊りが素晴らしい!人間の身体でここまで「白鳥」を表現できるのか~という表現力!「白鳥の湖」は腕や足の繊細な動きで、王女の哀しみを表現するところでバレリナーの技術や表現力が問われる作品ですが、「スワン・レイク」では別の観点からこの古典バレエの醍醐味を堪能させてもらいました。腕の動き、足裁きでどう猛な禽獣の白鳥の「野性味」「残酷性」そして「自由」を表現するダンサー達の素晴らしいこと!本当に感動しました。もちろん、男性ダンサーならではの迫力のジャンプ、輪舞も堪能!
・白鳥たちが、精神病院のベッドの下から続々と現れて、王子に制裁を加えるところはすごい迫力!恐い、恐い!本当に白鳥って、「禽獣なんだ。恐いよ~」って(最初「なんで、白鳥は王子をいじめているんだろう?」と???だったのですが、「人間と異形の世界のモノは愛し合ってはいけない」という古典的バレエの約束がここでも生きていて、白鳥のルールを破ったことへの制裁だったのかな?)
・王子と女王の葛藤、クラブでのらんちき騒ぎ等は「クルミ割り人形」と同じ雰囲気(執事との関係は、昨年見た「Without Words」風だったので、英国イーストエンドではもはや定番になった演出傾向?)。これだけだったら、「バレエでなくても、ミュジカルでもいいよな」と思ってしまいますが、ここにバレエの「身体の表現力」を堪能させてくれるスワンの踊りをきちんと盛り込んでいるところが、この作品の素晴らしいところ!(というか、私が気に入った理由です。やはり、バレエらしいバレエみたいから)。
・衣装が素敵!特に、女王の衣装、各国の王女達の衣装が50年代風で素晴らしい。パーティでスワンと踊る王女達は、みんな素晴らしい黒のドレス(片目アパッチの女性がセクシーで素晴らしい!)、女王の公式行事参加用のライラックの衣装はオードリーヘップバーン風、パーティでスワンに墜ちるドレスも50年代風の赤に裾から黒のレースが見える、すっごくすっごく素敵なドレス!衣装見ているだけで、もう「しあわせ~」状態。
・王子は、いじいじしていてなんだか情けない(笑)。一方スワンは、雄々しくて格好いい!自由や独立の象徴といわれても納得の存在感(素人だけど、技術の素晴らしさもはっきり分かります)。女王は、気品と厳格性をそなえて、これまたゾフィみたい(笑)。女性ダンサー全員、凛々しくて力強いのも特徴(好きです。女性の強さがにじみでている舞台って)。

ちょっと残念だったこと。
・音楽がテープだったことかな。やはり生オーケストラで見たかったですね。
・パンフが高い!薄いのに、2000円!高すぎ~(涙)。最初、買わないつもりだったのですが、よく分からないシーンもあったので、シーン説明が欲しくて購入したのに~!全然、ちゃんとしたあらすじ、説明無し。ネットのファンサイトの方が充実していました!あ~、買わなければ良かった。

あと、「へぇ~」と思ったのが、オペラ使用率の低さ。2階2列鑑賞だったのですが、オペラを使用している人は、ほとんどなし。バレエはやはり身体全体の動きを楽しむものだからかしら。オーチャード・ホールの2階席初体験ですが、見やすくて良いですね♪

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