Kanto Gakuin University Ori Akemi Seminar

Column織朱實が日々感じたことをつづっていきます。

月組エリザベート観劇♪ (05.04.13)

宝塚月組東京劇場「エリザベート」を見てきました。大劇場のエリザベートと比較すると、舞台のまとまりが格段に良くなっていて、3時間がものすごく短く感じる緊迫感のある舞台に仕上がっています。もともと、月組はまとまった芝居をする組だな~と思っていたのですが、その良さが存分に発揮されていますね。とにかく、脇がみんな個性的で上手!芝居も歌も!歌詞がこんなにはっきり聞き取れたエリザベートって初めてです。笑。息子(当時4歳)はエリザベートのビデオを見て、全曲歌えるのですが、いつもプロローグを「かみかみ屋だった~、人嫌いで~♪」と歌っているんです。かみかみ屋?(はにかみや)シシィはプロレスラーか!って感じですね(笑)。各人が個性的なのに、個性が浮き立たずちゃんと一つの舞台としてまとまっていて見応えのあるエリザベートです(まあ、その分、本来もっと印象的になるはずのシーンも、他のシーンに埋没してしまう、という弊害はあるんですが~。スピードがでてくると、逆に緩急がなくなるので)。

あさこシシィは、大劇場と比較すると高音も少女声も無理なく自然に出ていて、雰囲気もう~んと柔らかく女性らしくなっています。ただ、私は大劇場公演で見せてくれていたあさこシシィのせっぱつまった「孤高の皇太后」像にすっごく共感していたので、舞台になじんできた分、あの突出した「孤独の影」がなくなったのは残念でしたね。もう一人の主役(宝塚的にはこちらが主役なのが本来なのか。笑)彩輝トートの、歌の大躍進は驚異ともいえますね(爆)。当初「歌が今一つ」という評判だったのが嘘のよう。十分歌いこなせています。こちらも歌に余裕がでてきた分、芝居に感情がはいるようになり、大劇場の無機質感がなくなってきたのは、私的には残念!
大劇場で見たあさこシシィは、男役が娘役に挑戦する重責からか、あるいはもともと彼女の持つ内省的な資質がシシィの人物像に合致したのか、とても求道的なシシィでした。強すぎる自我を抱え、誰とも交われない、心を交わすことが出来ない、どこまでも「孤高」であるところに同性として共感できたのです。夫婦であっても、親子であっても、最終的には「死」であっても分かち得ない「孤独」を抱えた皇太后。最後に「死」に抱えられても、他のエリザベート達のように微笑むことが出来ず、不安げに瞳を泳がすシシィ。すっごく不安定な芝居で、せっぱつまった感じが舞台からシシィだけを浮き上がらせていて、病院のシーンなどは、歴代エリザベートの中でも異色のでき。これが、本当に東宝では、柔らかく、女性的になっています。例えば、トートにフランツの浮気を示唆されて「ありえない」と返答する場面。大劇場では、「は!(冷笑)ありえない!」と強く言い切っていたのが、つぶやくような自信なさげな「ありえない」。ルドルフへの最後の「お休みなさい」も、大劇場では低い声で断ち切るようにいっていたのが、呟くように、ささやくように、と。揺れる女性の心理としては、こっちの方が自然に思えます。舞台も、シシィが突出していないので、より全体としての調和が取れまとまった舞台に仕上がっています。でも、私は大劇場のあさこシシィのせっぱ詰まったような緊迫感が好きだったので、なんとなく残念。
がいちフランツは、歌が素晴らしく良くなって、シシィへの控えめな愛情、誠実な人柄がにじみ出ていて、より完成されたフランツという感じになっていますね。きりやんルキーニは、東宝にきて、えらく色男風(笑)。イタリアのジゴロって感じです。これは、これでビジュアル的には美しいのですが、やはりルキーニは最初の登場がインパクトがないと、どうしてもこちらのイメージと合わないか。

さて、さて、ユウヒルドルフ!東宝にきてものすごく良くなっています(笑)。一皮も二皮もむけたような印象がありますが、これはまあ私がユウヒちゃんファンなので、かなりひいき目かな?でも、大空祐飛という役者は、芝居をしているぞという段階を突き抜けて、その役の雰囲気をまとい始めてからが、いつもものすごくいいと思うのです(The Last Partyの後半のフィッツジェラルドしかり)。最初のうちは、なぜか「小器用な芝居をする人だな」という感じで、あまり強烈な印象が残らないなのですが(私が感じるだけですよ)、役の雰囲気を掴んでからの舞台が、これがすっごくいいんです。東宝ルドルフは、もうそのまま怜悧な皇太子そのものでした。国を憂い、熱さも弱さも併せ持った青年皇太子。台詞がなく派手な動きがないそのときも、伏せた睫の憂いが、伸ばされた指先が、立ちすくむ姿が、ルドルフとしての佇まいを見せてくれているのです。女性が男性を演じているのではなく、そのまんま皇太子ルドルフがいる、と思わせてくれる雰囲気があるのです。大劇場の熱く政治に燃えるルドルフも、誰もがとおる「青春の青さ」を感じさせてくれて、あれはあれで味があったのですが、この東宝ルドルフの「そのまんま皇太子」の雰囲気は一見の価値あり!と思うのですが(ちょっとイタイかしら?苦笑)。
あと、数回見る予定なのでまた感想も変わるかもしれませんが、月エリザベート正直あまり期待していなかったのに、東宝にきて思いがけず嵌ってしまいそうです♪

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