Kanto Gakuin University Ori Akemi Seminar

Column織朱實が日々感じたことをつづっていきます。

ノスタルジック上海!哀愁の蘇州編 その2 (05.11.13)

さて、下が寒山寺を有名にした張継の「楓橋夜泊」です。

月落烏啼霜満天  江楓漁火対愁眠  
姑蘇城外寒山寺  夜半鐘声到客船 
(唐詩選 張継)

月落ち烏啼いて 霜天に満つ  江楓漁火 愁眠に対す  
姑蘇城外の 寒山寺  夜半の鐘声 客船に到る

(おおまかな意味は、月が沈み、烏が啼き、霜が空を覆っている。 旅愁に浸る目に、川辺の楓と、いさり火が揺れている情景が映る。 姑蘇の町外れの寒山寺から、夜半を告げる鐘の音が船に聞こえてくる。)

「張継は、科挙に失敗して失意の中で蘇州にやってきて、癒しのために漢詩つくりました(孫さんは蘇州のことを話すと止まらないのですが。苦笑。日本語はかなり怪しいです)。蘇州は癒しの街です。綺麗で、北京よりずっといいです。張継はもう一回実は試験失敗しています。でもこの漢詩でお寺有名になりました。」

私にとっては、漢詩より寒山寺といえば、寒山拾得です。にやにやした怪しい坊さんコンビです。
横山大観を始め、日本画の巨匠が好んで画材にしたあのコンビ!
多分、みなさんも一度はどこかで見ていると思います。

森鴎外の小説も国語の教科書に出ていました。以下、えらく記憶が不確かですが。
県知事が任地に出立前に貧しい身なりのお坊さんに頭痛を治してもらった。
そこで、この人は高僧なんだろうな、と「任地先で尋ねるべき人はいますか?」と聞いたところ、
「あそこの寺に、寒山と拾得がいる」と教えられ、お寺を訪ね汚い乞食のような二人に丁寧に挨拶をして名乗りを上げると、二人は「豊干め、喋ったな」と大笑いをして去っていった。
うーん、なんだかよく分からない話。国語の時間にこの話を読んだときも??でしたが、今度は寺に来て、二人が祭られているのを見て、更に??(どうも、あのにやにやした怪しい風体と有り難い教えが結びつかない。笑)

「寒山寺は、中国では結婚式の時に、新婚さんが必ずお参りするお寺です。
特に花嫁さんは必ずきます」
「ほ~、それはなぜ?」
「それは、寒山と拾得がとても仲良しだからです」
(孫さんの日本語能力ではなかなか説明しずらいらしい)
「えーと、それは二人がとても仲良しだから、二人の仲に新婚夫婦も
あやかりたいということかしら?」
「そうです!そうです。蘇州の人達よくお参りに来ます」
「ちょ、ちょっと待った!寒山と拾得は、男同士だよね(しかも怪しいし汚いし←かなり偏見あり)。それって、いくら仲良くても変じゃないですか?」
「はい、変かもしれませんが(大受けする孫さん)。二人には二つの伝説あります。
一つは文殊(寒山)と普賢(拾得)の生まれ変わりというのと、もう一つは二人は夫婦だったというものです」
「...え~と、だから?」
「前世が夫婦だから、後世で仲良し。これ中国人にとって大事です」(うーん、今一つ分からない)
寺内にお祭りしてある二人の金ぴか像(写真は、おまけの小箱にあげる予定)を指さし、
「ここに赤い蝋燭が灯されています。普通お寺では、赤い蝋燭使いません。結婚式の時使います。二人は仲良しだからこの蝋燭です」

得意そうに話す孫さんですが、聞けば聞くほど寒山拾得が怪しいカップルにしか思えません。
うーん、誰か詳しい人にちゃんと教えてもらいたいものです
(孫さんの日本語にかなり懐疑的な私)。
あ~!でも孫さんはわざわざ間違った方向から蘇州見学している日本人をただすために駆けつけてくれたとてもよい人です。だから、日本語が怪しいからとか、蘇州以外の地域は全部ぼろくそにいうからといって偏見をもってはいけないのです(大笑。はい、この顛末はちゃんとご紹介したいです)。

しかしな~、やたら「呉越同舟、わかりますね」「臥薪嘗胆、知っていますよね」「ここが舞台です。日本人みんな知っています」というのには参った。
一般的には、そんなに漢文や、古史の素養はないと思いますが(私だけかしら)。
蘇州は春秋戦国時代の呉の国です。多分、ほとんどの日本人は言葉は知っていても(史記も好きですしね)、正確な語源とかそれは今どこの地域かなどは知らないと思うな。
蘇州に行って、なぜか孫さんの熱弁で寒山寺について妙に詳しくなってしまいました(日本から鐘を寄付していて、除夜の鐘の時つきにくるとかね)。
私的には、ただ蘇州夜曲の世界にどっぷり浸れれば良かったのですが(怪しい坊主コンビは興味の範疇外。は!こんなに一生懸命蘇州の歴史を喋ってくれる孫さんに対して、そんなことを思ってはいけない!)。

「蘇州2日いないと駄目です!○○さん(私の本名)、短すぎます!周荘なんか寄っていては駄目です。もっともっと蘇州みてください。いいところ、沢山沢山です。私ちゃんと説明できないの悔しいです」
悔し涙にくれる孫さんを横目に、「そうですね~、機会があったらまた蘇州によりたいです(絹布団がめちゃくちゃ安いのに今回買い損ねたし~)」とのらりくらり不抜けた返答をするだめだめ日本人の私でした(笑)。ごめん!孫さん!

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